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骨盤臓器脱の新たな治療~体に優しい子宮をとらないTVM手術~

2011/03/15

骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤)に対して、以前から産婦人科ではペッサリーによる治療がしばしば行われています。ペッサリー治療は膣の中に7cmくらいのリングを入れて下がるのを押さえる方法です。例えると、単に膣に蓋をするような治療法です。したがって根本的に骨盤臓器脱が治るわけではなく、あくまでも対症的な治療です。ペッサリーを常に膣の内に入れていますので、膣の壁に傷がついて、ただれや出血、感染を起こすことも少なくありません。ときに膣の壁に食い込んで取れなくなることもあります。また3ヶ月ごとの交換がずっと必要になり、あまり快適な治療とは言いがたいものです。
根本的に治すには手術ですが、従来の手術療法は子宮をとってしまい、膣の壁を縫い縮める方法でした。ほぼ強制的に子宮をとるという問題と、元々弱った膣の壁を縫い縮めても強くなる訳ではないので、また膣の壁が緩んで再発してくるという問題点がありました。欧米でのデータでは29~50%程度の再発率であると報告されています。つまり、せっかく手術をして子宮をとっても、2~3人に1人は再発してしまうということになります。
これらの問題点を解決する画期的な手術方法が子宮をとることなく行えるメッシュ手術(以下TVM手術)です。TVM手術は2000年に、フランスの11人の産婦人科医により開発された骨盤臓器脱の新たな術式で、近年、欧米だけでなくアジア・オーストラリアなどでも広く行われ、スタンダードな治療として確立しつつあります。TVM手術はそけいヘルニアの治療として一般的に使用されているポリプロピレンメッシュを用いて傷んだ骨盤底の再建を行う術式です。この手術をすることで、再発が少なく、子宮を取ることなく膀胱脱、子宮脱、直腸瘤を同時に治療することができます。膣壁を切開、剥離してメッシュを入れるだけなので、臓器を切除する必要もなく、患者さまの負担が少なく、入院も短期間で済みます。患者さまの満足度も非常に高く、合併症も極めて少ない画期的な方法です。また健康保険も適応されます。ひと言でいえば「TVM手術とは体に優しい子宮をとらない骨盤臓器脱の治療法」と言えます。
当院ウロギネコロジーセンターはいち早く2006年よりTVM手術を導入し、これまでに約1,000例のTVM手術を行ってきました。現在では、日本でも有数の骨盤臓器脱のTVM手術を行う病院として、関東一円だけでなく、遠くは東北や九州からも患者さまが来られています。この治療を行った患者さまからは「今までの生活が嘘のように楽になった!」とか、「ペッサリーを交換していたときとは全く違う!こんなことなら早く手術しておけばよかった!」などという声が聞かれます。さらに最近は最新鋭の超音波を用いたTVM手術を行っており、より安全な治療を行うことができるようになっています。

ウロギネコロジーセンター長 野村昌良

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