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放射線被ばく(前編)

2015/6/1

今回のテーマは放射線被ばくについてです。
少し難しい内容になりますが、前編では放射線被ばくの仕方、後編では放射線被ばくが人体に与える影響についてご紹介します。

福島第一原発の事故以来、放射線被ばくについて気になる方も多いことでしょう。我々が医療を行う上において検査や治療における放射線被ばくはある程度はやむを得ないところです。

放射線被ばくの仕方は大きくわけて2つに分けられます。『内部被ばく』と『外部被ばく』です。

内部被ばくというのは放射線を出す能力、放射能がある物質(主に金属)を口などから体内に取り込んでしまうことで放射線に被ばくするというモノです。福島第一原発では、おそらく水素爆発の時に放射性物質(基本的に金属なので重い)が風に乗って北西の方向に飛散しました。これらを農作物が取り込み、人が食べると内部被ばくとなります。
もちろん市場に流通している福島産の食べ物を食べても、害をなす内部被ばくはしないことが証明されています。医療における核シンチグラフィーという検査は内部被ばくをします。

外部被ばくはその瞬間にあびる放射線(医療ではX線、電磁波の1つ)による被ばくです。レントゲン検査、CT検査、造影検査(レントゲンの動画版)などは外部被ばくです。また福島第一原発内で今も働く人たちは外部被ばくが問題となります。

漫画『美味しんぼ』で主人公が福島県で鼻血を出すシーンが話題になりましたが、医学的にはあり得ません。正確に表現するならば、日常生活で鼻血を出す方は一定数いますが、放射線被ばくで鼻血が出る確率は増えないので、あのような描写は適当ではありません。

<画像出典>身の回りの放射線被ばく (http://www.japc.co.jp/atom/atom_6-2.html)

小児外科 松田 諭

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