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異物誤飲、誤嚥(ごえん)

2015/4/15

今回のテーマは異物の誤飲、誤嚥についてです。本来飲み込まない物(コイン、電池など)を飲んでしまうことを“誤飲”といいます。また、食べ物が気道に入ってしまうことを“誤嚥”といいます。
子供、特に1歳から3歳の幼児は何でも口にくわえて物を確認します。赤ちゃんの頃はベッドに寝ているだけで特に危険はありません。ハイハイを覚えて、立って歩くようになるといろんな物に興味を持ち、手にとって、口にくわえて確認します。叱っても言うことは聞いてくれません。子供が変な物を口にしないように守ってあげる環境を整えるのは親の責任です。
母子手帳を開いてもらうと穴の開いた紙がないでしょうか?『この穴を通過する物なら、子供は何でも飲み込んでしまいます』という紙です。母子手帳にその紙が入っていない人は、トイレットペーパーの芯を見て下さい。トイレットペーパーの芯の中に入る物は、何でも飲み込んでしまうと言われています。

1.たばこの誤飲

近年の禁煙ブームからか、たばこの誤飲で救急を受診する人は減っている気がします。小さい子供の親が喫煙している場合、子供が喘息になるリスクが高くなり、また子供が将来的に喫煙する確率が高くなります。個人的には子供を愛する親全員に禁煙してもらいたいところです。
最も大変なのは空き缶にたばこの吸い殻を貯めているパターンです。火消しのために水を入れてあり、それをジュースと勘違いして飲んでしまいます。水にはたばこの成分が濃縮されて溶け出しているために容易に中毒症状を来たします。
救急を受診してもらい、口や鼻から胃に達するチューブをいれて、胃の中を洗浄する必要があります。

2.コインの誤飲

大抵の場合は食道入口部という、ノドのところに引 っかかっています。レントゲンで確認すればすぐにわかります。レントゲンの画像を見ながら医療用の管の先に風船がついたもの(バルーンカテーテル)を使用し、コインを引き抜きます。食道が切れたりする危険があると言われています。

3.ボタン電池の誤飲

食道に引っかかっている場合、食道の壁は薄く容易に穿孔すると言われているため、全身麻酔で胃カメラなどで取り出します。
管の先に磁石がついたもの(マグネットカテーテル)でおもちゃの釣りのように取り出すこともありますが、途中で外れてしまったり、吐いて誤嚥性肺炎のリスクがあります。
胃まで流れている場合は、食後に右向きで横になってもらい、胃から十二指腸へ流れるように促します。十二指腸へ流れてしまえば数日で便として排出されます。胃から流れない場合はやはり胃カメラなどで取り出す必要があります。

4.ピーナッツの誤嚥

一番問題となるのがピーナッツの誤嚥です。硬くてツルっとしているので、気道に入りやすいのかもしれません。ピーナッツから出てくる油で肺炎を来たし、ピーナッツは徐々に膨らんで気管の内腔を詰めてしまい、場合によっては窒息することもあります。またレントゲンには写らないので診断が難しいです。
診断がついたら全身麻酔で気管支鏡というのを使って取ります。子供用の気管支鏡は非常に細く操作性が悪いため、苦労をすることがあります。
ピーナッツの欠片が肺の奥に入ってしまった場合、取り除くことができずに肺の部分切除が必要になる場合があります。
千葉の名産品ではありますが、3歳~5歳より小さい頃は、ピーナッツは食べない方が安全です。特に遊びながら食べるのは絶対に止めましょう。ご飯やおやつを食べるときは、ちゃんと座って食べる習慣を身に付けて下さい。

小児外科 松田 諭

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