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スポーツ医学とは 15-スポーツのための健康的な減量法

2010/4/1

バンクーバー冬季オリンピックでリュージュ女子1人乗りに出場した選手が重量規定違反で失格となってしまったニュースは記憶に新しいですね。

このように多くのスポーツにおいて減量することは競技資格を得るために、さらに競技成績を向上させるために大変重要になります。そこで今回はスポーツ医学科で「スポーツ内科」を担当している池尻医師に、上手に減量できるポイントを聞いてみたいと思います。(以下大内:O、池尻:I)

O 池尻先生、私自身も体重を減らしたいと思うことがあるのですが、何かよいアドバイスはありますか?
I はい、そうですね。先生のように食べるのも早くて量も多いという方は大勢いるのではないでしょうか?書物を読んだり、栄養士や医師などの専門家からダイエットに関するアドバイスをされて「なるほどそのとおりだ」と理解できても長続きしないという方がよくいますね。先生もそうではないですか?
そのような場合はやり方を工夫すればもっと楽に生活を変えることができます。昨今私が特に注目しているのが「認知行動療法」です。これは自分の中にある思いこみに気づき、行動を変えていく方法です。
O ニンチコウドウリョウホウ?具体的にはどのような方法ですか?
I まずは「自分のパターンを知る」ことが大切になります。今の問題点を把握するのです。自分の行動パターンを知るために、食事や運動、体重、歩数などを記録し、そうすると意外に「食べている」「動いていない」ことがわかり、次の行動への励みになります。具体的には、日付、状況、どの程度(食べた量、運動内容・量など)、その時の気持ち(気分)などを記録しどのような行動をしてメリットを得ているのかという(自分の行動の)仕組みを把握します。まずはこれをしっかり行うことが大事です。
2つ目は、気づいた生活上の問題点を整理して、具体的な目標を立てます。ここで大切なのはとても簡単にできる目標を設定すること。特に「できること」「好きなこと」「楽しいこと」を選ぶのがコツです。また失敗しても決して落ち込む必要はありません。
3つ目は目標とした行動を習慣化するために工夫をします。具体的には、自分の行動目標を思い出したり、それを実行に移しやすくするためにアイデアや行動のレパートリーを増やします。
4つ目は、日々の取り組みによって「よかった」「嬉しかった」「前より体の調子がいい」など、なんらかのメリットを自分で実感できるようにします。例えば、ウエストの数値や階段を上ったときの息切れ感など、小さな効果に注目して達成感を味わいます。継続するための要素を生活の中に多く仕込んでいくことがポイントです。
このように自分の行動の特徴を理解すれば、よい生活習慣が長続きし、リバウンドもしにくくなります。もし「三日坊主」になるようなら、目標が高すぎないか見直してみましょう。ストレスコントロールも非常に重要です。自分の気持ちを見つめストレスに気がつくことが大切です。
O なるほど。減量を成功させるには行動を見つめなおすことが重要で、そういったことを栄養士や医師がお手伝いさせていただくのですね。
I はい。私が行っているスポーツ内科外来では、栄養士や臨床心理士の方とも連携を図りながら、「減量したい」というご希望のある皆さまのサポートをしようと考えています。

まとめ

減量を成功させるためのポイントは

  • 自分の行動を毎日記録し観察する
  • 具体的で簡単にできる目標を立てる
  • 小さな効果に注目し達成感を味わう
  • 自分のストレスにも気づく

なお、池尻医師のスポーツ内科外来は完全予約制です。受診をご希望の方は通常のスポーツ医学科外来(大内医師、後藤医師)にてご相談ください。

スポーツ医学科 大内洋

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