ページの先頭です

取り巻く制度 3.障害年金について

2011/08/15

前回は、高次脳機能障害の方を助けてくれるサービスの1つである、障害者手帳と自立支援法のサービスについてお話しました。前回お話した中で、高次脳機能障害の方は中途障がいの方が多く、受傷まで就業されていた方は、この障がいを負うことで、職業復帰が難しくなったり、今までと同じような形態での就業が困難になることがあるとお話しました。今回は、そのような中で出てくる経済的な心配についての保障制度の1つである障害年金についてお話します。

公的年金の種類は、老齢給付、障害給付、遺族給付の3種類です。障害年金とは、公的年金の加入者が病気やけがによって心身に障がいを持ち、日常生活や就労の面で困難が多くなった場合に受けとる年金です。障害年金には3種類あり、加入する年金制度によって該当する条件や相談窓口が異なります。

【障害基礎年金】

  • 初診の際、65歳未満であること(老齢基礎年金繰上げ受給者は除外)
  • 障害状態:障害認定日に障害等級表に定める1~2級に該当する事
  • 保険料:初診日に納付要件(原則として、初診日の前々月までに、加入期間の保険料を2/3以上納付、または免除期間で満たされている)を満たしていること
  • 手続きの窓口:市町村役場の国民年金課
初診日が20歳未満の場合は、20歳到達日または障害認定日のいずれか遅い日に障害等級に該当すれば、障害基礎年金が支給されます(所得により全額または半額が支給停止となる場合もあります)。

【障害厚生年金・障害共済年金】

  • 初診の際、厚生年金や共済年金の加入者であること
  • 障害状態:障害認定日に障害等級1~3級に該当すること
  • 保険料:初診日に納付要件を満たしていること
  • 手続きの窓口:社会保険事務所・各共済組合

上記3つの種類の年金の受給資格を満たしている場合に、

  1. 1 .診断書
  2. 2 .病歴・就労状況等申立書
  3. 3 .障害年金給付裁定請求書
  4. 4 .年金手帳
  5. 5 .戸籍謄本
  6. 6 .所得証明書等の必要書類

を用意して申請をします。

ただし、障害認定日とは「初診日から1年6ヶ月を経過した日、もしくは病気が治って障害が固定した日(初診から1年6ヶ月以内に、傷病がつづく場合や症状が固定した場合は、その日が障害認定日になる)」とされており、高次脳機能障害を負っても、すぐに申請して障害年金がもらえるとは限りません。つまり発症から1年6ヶ月は、障害年金以外の制度で生活を支えなくてはならないのです。

社会保険の加入者は、「傷病手当金(傷病を理由に休業した場合、給料の2/3を最長1年6ヶ月もらえる制度)」を受給して生活を支えることが出来るかもしれませんし、労働者災害補償保険が該当する方は「休業補償」(給料の6割)や「休業特別支給金」(給料の2割を障害固定までもらえる制度)などで生活を支えることができるかもしれません。しかし、いずれの制度にも該当しない方は、本当に家族の収入や、貯蓄だけで賄わなくてはならないのが現状です。

前回・前々回と高次脳機能障害の方を支える公的制度についてお話いたしましたが、やはりこれだけでその方の生活を全て支えられるわけではありません。公的ではないさまざまな社会資源も踏まえてその方々を支援する必要があると考えます。次回からは、そのような資源をご紹介していきたいと思います。

亀田総合病院 総合相談室 ソーシャルワーカー 友野さゆり

総合相談室のご案内

医療法人鉄蕉会 医療ポータルサイトについて

本サイトは、 医療法人鉄蕉会 が運営しております。