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高次脳機能障害支援普及事業とは

2011/07/01

これまでの2回で本障害の特徴と医学的診断についてお話をしました。今回はその障がい者を支える「高次脳機能障害支援普及事業」についてお話をします。

麻痺などの目で確認できる障がいは「大変だなあ」、「できなくても当然だよ」となるのに、見えにくい「高次脳機能障害」は、そのように対応してもらえませんでした。自宅生活が始まった後も「見えにくい障がい」がゆえに地域では「困った人」や「変わった人」「忘れっぽい人」、職場では「全然仕事ができない」 「任せられない」と否定的な評価をされっぱなしでした。

しかし、ようやく2006年に転機が訪れます。

障害者自立支援法が施行され、これまで社会的認知の低かった高次脳機能障害も、やっと「社会的に認知をしよう」という機運にのることができました。国の方針は3年間で各都道府県に1カ所以上の支援拠点機関を置き、診断やリハビリテーション方法、社会参加や生活・就労の支援を行うというものです。

千葉県ではまず、千葉リハビリテーションセンターと松戸市の旭神経内科リハビリテーション病院が支援拠点機関に指定されていました。当院は2009年度末に千葉県で3番目の支援拠点機関に指定され、前述の2病院と連携しそれぞれが特徴をもった支援を行っています。

では支援とはどのようなものでしょうか?

高次脳機能障害の支援には医学、リハビリテーション、心理、社会生活、就労・復学という多方面での関わりが必要となります。この関わりを一手に担う機関は通常存在しません。わかりやすく言うと、総合病院にはじまり、リハビリテーション病院、訪問リハビリテーション、市役所・保健所、ハローワーク…と続く遠大な流れなのです。しかもその担い手である各々の病院、保健行政、雇用関係者等は専門家集団です。専門家とは困ったモノで、自身の専門分野には極めて強く深い関わりができるのに、隣のことは全く知らないことがよくあります。そこで全体をつなぎ合わせ、有機的な関係になるように結びつける"指揮者"の存在が必要です。その指揮者としてタクトを振るのが支援コーディネーターなのです。

支援コーディネーターは文字通り"コーディネート"をする者です。医学から就労までそれぞれの分野の専門家を活用し、障がい者の側に立った支援を提供するのが仕事となります。

支援の一例です。

例えば、通院をしている障がい者が「就労を希望した」とします。まずはどのような形で就労を希望するのか面接をいたします。次に医療側から障がいの程度について確認をします。そして使える制度や社会資源を確認し、関係各所に協力を依頼し就労の可能性を追求していきます。みなさまご存じのように、現在の就労環境は大変厳しいものです。しかし、「障がい者にも仕事を」という空気が強まっているのも事実です。

亀田メディカルセンターの高次脳機能障害支援普及事業は、亀田リハビリテーション病院を中心に亀田クリニック、亀田総合病院、安房健康福祉センター、鴨川市福祉課、鴨川市地域包括支援センター、鴨川市社会福祉協議会、中核地域生活支援センターひだまり、社会福祉法人太陽会などの協力を得ながら活動しております。その特長は、発症(受傷)直後から社会復帰までの全期に渡るリハビリテーションの提供と、個別の就労支援、自動車運転プログラムの推進です。

関係各所の協力を得ながら、特長を生かし障がいをお持ちの皆さまがいきいきと生活できるよう支援していきたいと思います。

高次脳機能障害支援普及事業支援コーディネーター
亀田総合病院リハビリテーション室 作業療法士 佐々木祐介

亀田総合病院リハビリテーション室

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